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今私がイチオシしたい漫画を紹介していきます!

傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン その1

傾国のお姫様になれないなら、傾国の仕立て屋になればいいじゃない──。

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今1番続きが楽しみな漫画がこれ、『傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン』。舞台は18世紀のフランスで主人公のマリー・ジャンヌ・ベルタンは実在した人物。ベルタンは地方都市アブヴィルで人気の髪結いとして暮らしている。自分は器量がよくないからと恋愛を諦め仕事に邁進する毎日だけれども、何かが虚しい…。唯一自分のことを可愛いと言ってくれる幼馴染の青年マルセルと結婚して落ち着くのも悪くないかなと思っていたところ、マルセルはベルタンが内心可愛いだけの女と僻んでいたララと結婚すると言う。事情を知らないララは幸せいっぱいの顔でベルタンに傾国のお姫様をイメージした花嫁衣装の作成を依頼する。叔母から仕立ての技術を仕込まれていたベルタンは冷めた目をしつつもそれを了承した…。

 

良い雰囲気だった幼馴染が「僕がいないと駄目みたいだから…」って1ヶ月程で自分と正反対のタイプの女とくっついちゃうの見せつけられても平静を装って、素敵な花嫁衣装作ってあげちゃうベルタンの仕事に対するプロ精神はやばいなぁ…。最後にちょっとだけ泣いちゃうベルタンが切なすぎるよ…。

 

この件をきっかけとして、ベルタンは傾国の仕立て屋になると心を決めてパリを目指した。まずはパリ一番のお針子を目標に、叔母に紹介された店で働き始める。そこに一見すると娼婦に見える女が男を連れて現れた。彼女の名前はマリー・ジャンヌ・ベキュー。パリ一番のお針子だと言う。ベキューは店の品揃えをこき下ろし、ベルタンと目が合うと「だっさ」と嘲笑する。ベルタンは思わずべキューの手を取り、自分に服を作らせろと挑戦する。そして「女で服は売らないわ」と宣言するのだった。

当時のフランスの服はオーダーメイドで気に入ったお針子に注文していたそうな。そのため多くのお針子が客を取るために女を売りにしてたわけである。ベルタンはその体制に自分の腕前だけで挑戦しようとする。カッコ良すぎかぁ!?

 

ベキュー好みの服を作るため街でヒントを探すベルタンは髪結いのレオナールと出会う。彼も史実の人物。田舎者だけど髪結いの技術はピカイチで、パリ一番の髪結いを目指しているイケメン。屈託の無い笑顔が眩しく描かれている。

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マリー・アントワネットの頭に船乗っけたのこいつかwww

ベルタンとは良い戦友になれそう。っていうか似た者同士恋仲になりそうなものなんだけど…なってほしいんだけど…。ベルタンが仕事をがんばればがんばるほど、女である不条理を知っていくんだよね。その不条理に抗うためにまた仕事をがんばってのループ…。どんどん恋愛できない体質になっていくのが悲しい…(´・ω・`)

 

そしてベキューの望み通りの服を完成させたベルタンは一流店に引き抜かれ、着実に傾国の仕立て屋への道を進めて行くのだった。

 

ベキューの服がまたねー面白いんだわ。ぜひ漫画で読んで欲しい。他にも服飾に関する駐訳や当時のフランスの生活についての描写が詳しくて頭良くなれそう。昔の宿屋って個室じゃなくて大部屋で寝るのかとか考えもしなかった発見が出来た。登場人物が実在した人たちっていうのもロマンがあるよねぇ~。もちろん作者の脚色の部分もあるんだけど、それが相乗効果で迫ってくるのを感じるこの漫画、イチオシ!(σ・∀・)σ